0部 1年前の旅行計画

昨年の秋は三岐鉄道に乗ろうとしていた。三岐の営業エリアなら俺もマサオくんも比較的安価に行けるし、この時期は北勢線に三交
塗装の編成が走り始めたころ。しかし学期中は俺もマサオくんも忙しく、日時の打ち合わせもまともに出来ないうちに計画は自然消滅
してしまう。

2015年も秋になり、幸い前年よりも余裕がある。これは旅行のチャンス!ということでマサオくんに再び話を持ち掛けた。行き先を新たに
選ぶよりも昨年考えた行程を流用するほうが早いので、発案から1年越しの三岐鉄道訪問をすることになった、という話。


▲ローカル線重点の旅行も久しぶり

セメントとナローゲージ 2015/10/25

1部 シーズン直前の聖宝寺 (豊橋~西藤原)

●富田までの行程
三岐線の起点・近鉄富田駅へは名鉄とJRを乗り継いで行った。名鉄利用の金山までは定期の範囲内で、そこからはJR東海で富田、
そして徒歩で近鉄富田。
JRの関西本線は本当に遅いね。朝の下り列車は区間快速なのに各駅停車とでも言うべき状態で、隣を近鉄が追い抜いていくから
とても惨めな気分。しまいには駅じゃないところ(白鳥信号所)にまで停まる始末。道理で前の普通に追いつかないわけだ。殺意が沸く

●富田駅と近鉄富田駅
津方面から近鉄で来るマサオくんとは、三岐線の起点でもある近鉄富田駅で集合。しかし前述のように費用と手間をケチったので、
俺は富田駅に捨てられる。
しかし!富田駅には三岐鉄道の貨物列車が来るので今回はそれを撮影。これは近鉄富田駅へ直行したら出来なかったことなので
一つ得をした。


▲デェーン

平成生まれには私鉄の貨物は馴染みがないのでうれしい。しかもセメント列車を運転する私鉄はもう三岐鉄道だけなんだってね。
私鉄の貨物といえば、個人的に思い浮かぶのは岳南鉄道、しかし貨物は廃止済み。私鉄機の中では少し異質なスタイルのED40が
際立っていた。

たまにはJRの貨物列車も撮らねば・・・


▲牽いてきた貨車はタキ1900

●西藤原行き
近鉄富田駅の西口でマサオくんと無事に合流すると、すぐ三岐線の列車へ乗車。3番線ホームで待っていたのは801系、譲渡元の
西武では701系だったやつね。趣味的には、譲渡元の形態をそのまま維持している車両にあまり興味を持てない(・~・;


▲デザイン自体は好きだけどさ。

同じく元西武車が多い近江鉄道は何故か執拗に顔を取り替えていた。デザインの良し悪しは別として、オリジナリティがあるので
Calcite的にポイント高い(キャピ 今じゃそんな元気もなくなって、何を思ったかイルカの模様を貼り付け出したけれども・・・!?

大抵のこういう地方線は下るにつれて少しづつ沿線が閑散としてくるものなのに、三岐線は2駅目の大矢知から結構まずい状況。
暁学園前(4駅目)に至っては学園前なのに学園見えなくて、でも無駄に見晴らしは良い。全然前じゃないんですがそれは・・・
超☆どうでもいいけど「暁」「学園」と聞くとストブラを思い出すよね。そうでもないですか。

保々では車両交換があった。が、相手も801系; 折角なので他の形式に乗りたかったところ。競技用っぽい自転車を持った
人がたくさん居て、その人たちも車両から車両へ自転車を転がしていった。ところでサイクルパスのパスって何がパスなんだい

●セメントゲーム(?)
東藤原に留置されるタキ1900の「太平洋セメント」の文字を見て、マサオくんが思い出した謎のゲーム。彼の知り合いの阪大生が
飲み会で披露したものらしいのだけれど、意味不明の極地なので理解は諦めよう

~セメントゲーム~
「セメントは危険だから、注意して飲まなければならない」
「前よーし」「後ろよーし」「そーれ セメント セメント


どうやら発案者の阪大生もその場の思い付きらしい。こんなんが温めてたネタだったら怖すぎる

●聖宝寺
西藤原駅から徒歩10分程度で寺の入口に着き、そこから約270段の石段を登る。日光東照宮の奥宮よりも段数が多いので、
俺にとっては命がけのアタック。石段の上に建物、というと白玉楼的なものを想像するが、半人半霊の剣士(というか庭師)や
暴食の幽霊(失礼)がいるわけではない。そんな私の東方に関する知識は約6年前の時点で止まっています

この聖宝寺は紅葉の名所なので1ヶ月早いわ!といったところだけども、見所は紅葉だけではなくて。
特に目立つのは「鳴谷の滝」


▲暗くて撮り辛い

見応えはなかなか。駅から徒歩の範囲でこれが見られるんだから大したものだと思う。鉄道旅行で滝を見ようと思うと、大抵の
場合は怪しいバスに乗って行けたはずなのに置いていかれて、泣く泣くタクシーで行くことになるもの。だからこの滝は貴重だよ。
清里ピクニックバス・・・

気が済むまで滝に見入ったあとは駅に戻る。

1部 終

2部 イオン帝国 (西藤原~東員)

●西藤原駅前・ウィステリア鉄道
予定よりも1時間近く前に駅へ戻って来てしまったので、駅前の広場を少し覗いてみた。


▲右下にミニ鉄道用の線路が見える

ここでミニ新幹線やミニSLの運転をしていたがやめてしまった・・・らしい。一切予備知識を持たずに来たのでよくわかんない()
それと2両の小型機関車が保存・展示されてる。SLはまだしも、スイッチャーを選ぶとは渋い。遊びに来てる子供も何に使う
機関車なのか分かんないだろうな・・・って子供ら機関車づたいでホームに侵入してった!それに車番表示が曲がってる!

こうして状態よく保存される車両を見ると、120形が残らなかったことが惜しく思える。カルダン駆動の新性能車を大手私鉄並みの
早さで導入したことも、その車両が輸送力不足ですぐに他社に譲渡されてしまうほど近代化が早かったことも三岐線の誇れる
過去だから、複雑だね。

●入線列車を撮る。
親切なことに、列車が入ってくる時刻も駅に掲示されてんのね。発車の20分以上前に到着すると分かったので、近くの踏切に
移動して待機。列車は時刻通りに来たものの、広角に寄ったら後ピン+ブレで惨憺たる結果に。予想外のミスで2秒くらい
落ち込み、危うく後撃ちをし忘れるところだった。気合いが足りねえんだよなあ(精神論)


▲腕木式信号機くんの存在感

●イオン大安店
三岐線各駅の付近にはコンビニがないので、三里駅から徒歩10分弱のところにあるイオンで済ますのが現実的だと思う。
旅行で食事をフードコートに頼るのは今年だけでもう3回目。フードコートは初見だとシステムがよく分からなくて頼みにくい
からマクドナルドで妥協。でもよく考えたらマックはマックで注文の仕方がよく分からない。スタバの方が簡単やぞ

●アバウト駅
行きでは車両交換があった保々駅、帰りも奇妙な長時間停車。山城で交換するための時間調整なのかなあ。それはそうと
「ほぼ」という名前がマサオくんに刺さったので「アバウト駅」という名誉な(?)通称を貰った。東藤原もセメントゲーム駅だしな。


▲角を落とすと近江鉄道820系になるよ

●山城駅の待合室の扉
音が鳴るほどに強烈な静電気で感電するCalciteさん

●イオンモール東員線
三岐線と北勢線は比較的近いところを並行していて、1日乗り放題パスはどちらもカバーしているので、是非両線の間を移動
したいところ。しかし丁度いい路線は三岐にも三交にもなく、地域のバスは土休日運休だったり超・遠回りだったり・・・という
状況が続いていたみたい。乗り潰しを扱うサイトなんかだと「歩け」って書いてあることも。

しかしイオンモール東員の開業に伴って「イオンモール東員線」の運行が始まり、三岐線山城と北勢線東員が結ばれた。そこで
一つだけまだ引っかかるのがイオンモールをガンスルーで乗り通していいのか?ということ。
実際に行って得た結論はOK。なので両線に用がある人はガンガン使おうぜ!そして昼食に続いてまたもイオンの存在に
助けられる形となった。さすが三重県北部、本当はあんまりイオン好きじゃねえけどな

で、東員のコスモス畑はどこに・・・?

2部 終

3部 幸せの黄色くない電車 (東員~阿下喜~豊橋)

●東員のコスモス畑
東員駅の近くにコスモス畑があって、北勢線沿線在住の方がよくコスモスと電車を絡めた写真を撮っているイメージ。それに
10月は"東員町コスモスまつり"を掲げて人を集めているくらいだからバスの車内からでも見えるくらいだろうなー

と思っていたけれど、コスモス畑はバスが着く側とは線路を挟んで反対側にあったので、なかなか見つけられずに困惑。意外と
線路から畑まで結構な距離があったため余計に見つけにくい。そして何よりコスモス畑せま・・・く・・・ないわなんだこれ


▲うおっ

実際に受ける印象はこの写真とは比べ物にならないくらい。花だけ見てると今一つ実感が掴めないので、人影や高圧線鉄塔と
サイズ比較をしていただければ。
そして見物客も多いね!出来るだけ人が目立たないように撮ってもこれだけ写るし、写ってない範囲では車両が渋滞起こしてた
ほど。道幅に見合わない無謀な交通量でビビる


▲白がアクセントになっていてよい 100点

ひーかりのこーえがそらーたーかーくきこーえるー♪ これコスモス違いだと思ってたら関係あるみたいね。コスモス(宇宙観)も
コスモス(植物)も語源は共通して「秩序」を意味するギリシャ語なんだって。きーみもほしーだよー(*^◯^*)


▲撮り方違うやつから一枚

この日は風が強かったので、撮ろうとしたら吹かれて花がそっぽを向いてしまうこともしばしば。PCに写真を移動させて確認したら
実は全部横向いてましたとかもあった。かなしい。調べてみた感じだと、この辺は内陸部にしては風が強い地域みたいだね。山が
近いので滋賀の湖西と似た傾向を持つ場所なのかもしれない。

●東員駅にて


▲至って普通の三岐鉄道色

北勢線が近鉄から三岐に移ってからもう10年以上経ってた。今いる車両は全て近鉄時代から走っていたものなのに、三岐鉄道色の
方が軽快で似合っている。少し前まで近鉄だった内部・八王子線もマルーンやめてパステルカラーにしてたから小型車=明るい色って
いう勝手なイメージがあるかもしれん。
そんな三岐鉄道は只今、1編成を旧塗装にリバイバルして運行中。ただ旧塗装は旧塗装でも近鉄時代(と三重電鉄時代)をすっ飛ばし
三重交通時代の塗装。そんな色の電車は写真でも見たことないので再現性とか全然わからんけど、似合ってるな~とは思った。実は
その塗装、三岐200系がまだ三重交通4400形だった頃に実際に纏っていたものらしく・・・似合ってるな~(すっとぼけ)

ただ今回は1往復足らずしか乗らないので、端から撮影は諦めていた。それどころか見掛けられるかどうかも非常に怪しい。。。

怪しいよ?


▲OMG

ピエーーーーーーーーーーーーーーーーー
人間はあまりに運がいいと自覚すると恐怖を感じる傾向があると思いますが皆様はいかがでしょうか
入線に気付かなくて危うく撮り損ねるところだった。近くの踏切も鳴ったはずなので耳が悪くなったのかな(

持ってるね。斎藤祐樹よりも俺の方がよほど持ってるよ(?) 遠鉄30系、天浜TH9200形に智頭急HOT3520形とどうも地方線の希少
車種と相性がいいみたい。これら全部マサオくんが来た旅行で乗ったので、マサオくんの運が高いのかもね。じゃ魚雷3でカットインだな

●楚原かどっかの交換
どこかはっきり覚えてないから適当に書いてやる・ 調べりゃ分かるけれど


▲この湘南顔が見たかったの

写真に「楚原」って写ってたわ。

●阿下喜までの道のり
つりかけ駆動うるせえ!知ってた。てか嫌いじゃない。昨年、近鉄だった頃の内部線に乗ったときはT車に乗ってしまい恐ろしい
思いをしたので今回はM車なのさ。
自然豊かなエリアをゆっくり進み(ただし音はうるさい)、静かな山林(ただし音はうるさい)を抜けると終点の阿下喜へスイと滑り込んだ
(ただし音はうるさい)。まるで温泉地や観光地まで無理やり引いた路線の終点駅みたいな雰囲気が漂い、かといって別にそういう所
でもないっていう・・・

神戸電鉄乗りてえなぁ(唐突)

●阿下喜温泉「あじさいの里」
マサオくんを確実に旅行に呼び出すための訪問場所 シンカクのユカは俺以外の2名がとにかく温泉入りたがるマンで、ついていく
俺も色んな温泉に入ってきた。でも温泉って時間設定が難しいから、行程に組み込むのが結構面倒なんだよ。もちろん時間さえ
取れれば行って損はしないし、ここに関して言えば駅から非常に近いのでとてもありがたい。

風呂の後に自販機で買ったアイスココア(100円)を飲みながら、「ダメ元で来たのに、何でこんなマトモな旅行してんだろう・・・」
としみじみ思った。いい旅行はゆったりとした時間が流れるね。駅へ帰る数分間も、涼しい風に吹かれて非常に気分がよろしい。

ホントにまともな旅行すぎて、どうした?大丈夫?

●西桑名までGo Back
うわっ・・・北勢線の交換、多すぎ・・・?
因美線や山陰本線や近鉄大阪線など色んな路線を思い出した。待ち合わせの多いローカル線の乗車経験も豊富になったもんだ。
(※大阪線も鹿とぶつかったからローカル線)鉄道ファンの俺ならまだしも、ごくごく一般人なマサオくんですら同じ経験をしてきたわけ
だから異常なこと。マサオくん一般人やめちゃったね(?) あと交換が多いのは運行の健全性の証拠なのでもっとやれ

西桑名で降り、桑名で別れ、マサオくんは津方面へ帰って行った。お疲れ様でした。

●帰りの電車
丁度良く快速「みえ」が来たので心躍った(誇張)のに結局運転停車だらけじゃん!遅っ!そして金山からは名鉄。次の日から学校
なのに何が悲しくて夜の名鉄で帰らねばならんのだとか思っても、こうやって節約しないと旅行できないからね。我慢我慢

そして豊橋到着、全行程終了。


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